宮城の路線価上昇率4.8%、3年連続全国3位 東北は1.2%プラス

仙台国税局は1日、相続税や贈与税の算定基準となる2020年分の路線価を発表した。東北6県の標準宅地約2万2000地点の対前年の平均変動率は1.2%プラスとなり、5年連続で上昇。上昇率は前年比0.1ポイント増加した。宮城は4.8%プラスで、3年連続で全国3位だった。
 1月1日時点での時価の80%程度をめどに算定しており、新型コロナウイルス感染症の影響は反映されていない。国税庁は、今後広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合、減額措置を検討する方針。
 県別の変動率は、宮城が8年連続で上昇、福島が0.7%上昇で7年連続のプラスだった。山形は0.1%上昇し、現在の計算方法となった10年以降で初のプラスに転じた。
 青森と岩手は0.3%、秋田は1.1%の下落で、いずれも10年以降11年連続のマイナスだが、下落率は0.1~0.2ポイント縮小した。秋田の下落率は2年ぶりに全国最大となった。
 6県の税務署別最高路線価額の上位10地点は表の通り。仙台市、いわき市、青森市など計8地点で上昇し、残り2地点は変動なしだった。トップは1957年から64年連続で仙台市青葉区の旧さくら野百貨店前の青葉通。都道府県庁所在地の最高路線価の中で11位だった。上昇率は青葉区の江陽グランドホテル前の広瀬通が18.8%プラスで最も伸びた。
 6県の主要商業地(12地点)は5地点で上昇。下落は横手市安田堰添、鶴岡市末広町の2地点。5地点は変動がなかった。主要工業地(6地点)は仙台市若林区卸町東4丁目が15.2%、岩手県矢巾町西徳田が8.3%それぞれ上がった。郡山市富久山町久保田が4.5%下がり、3地点は変動なしだった。
 東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域と避難指示解除準備区域は、引き続き路線価を「ゼロ」とした。

[路線価]1月1日時点の主要道路に面した土地1平方メートル当たりの評価額。相続税や贈与税の税額を算定する基準になる。今年の対象は全国約32万9000地点(標準宅地)。国土交通省が3月に発表する公示地価の約2万6000地点より多い。公示地価や売買実例、不動産鑑定士らの評価などを基に算定し、同一地点では公示地価の8割程度の水準となる。国税庁のホームページで閲覧できる。

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