宮城・スーパー種雄牛「茂洋」死ぬ

宮城県の基幹種雄牛「茂洋」が26日、老衰のため、県畜産試験場(大崎市)で死んだ。18歳8カ月だった。種付けした子の肉質が全国の市場で高い評価を受け、5万頭を超える子牛を生産した。スーパー種雄牛として、仙台牛の生産基盤、ブランドの確立に貢献した。
 茂洋は2001年1月、石巻市(旧桃生町)生まれ。父牛は県基幹種雄牛の「茂勝」。肉質が優れた名牛「茂重波(しげしげなみ)」の孫に当たる。母方の祖父に枝肉量が豊富な「糸晴波(いとはるなみ)」を持ち、07年に基幹種雄牛となった。
 これまでに誕生した子牛は5万2554頭。このうち、6629頭は繁殖用雌牛となり、繁殖用雌牛の父牛としての評価も高い。精液は11万8643本を配布した。
 07年には子牛の霜降り度合いを示す脂肪交雑値、ロースが取れる量を表すロース芯面積で全国1位を記録した。肉質A4以上の割合を示す上物率は86%(10年)と当時の全国平均(56%)を大きく上回った。
 血統が優れ、茂洋を除く現在の県基幹種雄牛11頭のうち、6頭が茂洋の子。初めての後継牛「好平茂(よしひらしげ)」の産子は17年に県内で開催された第11回全国和牛能力共進会で、若雌牛部門の日本一に輝いた。18年に基幹種雄牛となった後継牛の「茂福久(しげふくひさ)」は脂肪交雑値が国内歴代最高を記録した。
 県畜産試験場は27日から記帳所を設ける。10月11日までで、時間は午前9時~午後4時半。

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