仙台市のパン店経営「メゾンカイザー仙台」は、宮城県亘理、山元両町産のイチゴを使ったパンや菓子4品を開発し、19日、亘理町で試食会を開いた。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた東北一のイチゴ産地の復興に向け、新たな味を提案して生産者を支援する。
開発したのは、バゲット、デニッシュ、クロワッサン、タルトの4品。両町内で収穫された「とちおとめ」を乾燥させるなどして使用した。県仙台地方振興事務所も開発に協力した。
試食会には、開発に関わった15人が参加。甘酸っぱいイチゴをたっぷり使ったパンを味わった。みやぎ亘理農協いちご生産連絡協議会の宍戸孝行会長は「今までにない食感でおいしい。亘理のイチゴを使ってくれて、やる気が出る」と喜んだ。
震災前、両町は合わせて、宮城県内のイチゴ生産量の8割を占めたが、津波で畑の約95パーセントが被災。泥のかき出しなどボランティアの支援を受け、現在は約2割で栽培が復活した。
メゾンカイザー仙台の小島賢二社長は「水分が多く軟らかいイチゴを使うのは難しかった。地元の方を元気にする商品にしたい」と話した。売り上げの一部は亘理町に義援金として寄付する。
4品の価格は420円~294円(税込み)。23日から5月中旬まで、メゾンカイザー仙台の仙台市青葉区、泉区の2店舗で販売する。連絡先はメゾンカイザー仙台022(355)6755。