宮城・亘理に繁殖養豚場 プリマハム子会社が22年生産開始

プリマハム(東京)子会社の太平洋ブリーディング(福島県富岡町)は1日、宮城県亘理町吉田東部地区に広さ約13ヘクタールの大規模な繁殖養豚場を計画していることを明らかにした。同社は山元町新浜地区への肥育養豚場の進出を決めており、両町内で繁殖から出荷までを一体的に行う。
 住民説明会が同日、亘理町であり、同社担当者が説明した。計画では、母豚は最大3000頭の飼育が可能で、子豚は年間最大9万頭を生産する。早ければ2021年1月に造成工事を始め、22年夏ごろの生産開始を目指す。
 当初は母豚1000頭、子豚1万頭でスタートし、24年に飼育、生産数ともに倍増する予定。生後4週間まで育てた後、山元町の養豚場へ搬出する。
 従業員は15人程度で、地元雇用に取り組む。豚舎は密閉型で最先端の水洗汚物処理システムを導入。臭気は人が感知できる濃度をほぼ下回るとしている。たい肥処理施設も建設し、地元農家に提供する。
 同社によると、亘理、山元両町の沿岸部には既存の養豚場がないことから、豚の感染症対策の面でメリットがあるという。平地で運搬が容易な点や気候が温暖で飼育しやすい点も進出を決めた判断材料となった。
 同社は今月下旬、山元町でも説明会を開く。同社幹部は「先進的な施設で十分な臭気対策を行う。地域の理解を得ながら持続可能な養豚を進めたい」と話す。
 建設予定地は東日本大震災の津波で被災し、県の農地整備事業で整備された。17年、石巻市の農業生産法人が牛舎建設を計画したが、19年8月に撤回。町などが事業者を探していた。

◎山元に肥育舎、22年から出荷 年3万~6万頭計画

 太平洋ブリーディングが山元町新浜地区で建設する肥育養豚場は広さ約13ヘクタールで、年間3万~6万頭を出荷する計画。出荷開始は2022年11月の予定。
 町や同社によると、両者は今年5月、立地協定を締結。第1期として21年9月に肥育舎4棟などを着工し、さらに24年に12棟を建設する。
 従業員10人弱を雇用。亘理町に整備する繁殖養豚場から搬入する子豚を最長生後180日(体重約120キロ)まで育て、仙台中央食肉卸売市場(宮城野区)に出荷する。

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