JSMCホールディングス(東京)は24日、台湾の半導体受託生産大手、力晶積成電子製造(PSMC)とSBIホールディングスの協業解消で、宮城県大衡村に計画した半導体工場の建設が白紙となった理由を巡って見解を発表し、「JSMCが詳細な財務計画を示さなかった」とするPSMCの説明を否定した。
JSMCは大衡村の工場の運営会社として、PSMCとの共同出資を前提にSBIが設立した。PSMCは社員を送り込んだものの出資は行わず、SBIの完全子会社のままになっている。
PSMCは22日に台湾で開いた決算説明会で、日本の補助金の交付条件が台湾の法令に触れる恐れがあったほか、JSMCが実行可能な資金調達計画を示さなかったことが、協業解消の「二大原因」と主張した。
これに対し、JSMCは見解の中で、PSMCが共同出資の合意から一転、技術支援にとどめる方針を表明し「スタンスを後退させた」と指摘。必要な半導体に関する情報の提供も限定的で、計画を策定できない状況が続いたと反論した。
その上で「PSMCが担当するはずだった業務やサポートが遂行されなかったにもかかわらず(協業解消が)当社の責任であるかのように指摘されることは甚だ遺憾」と不快感をあらわにしている。
補助金の交付要件に関してもSBIと共に責任を負う形を取り、PSMCの懸念を払拭する提案もしていたことを明らかにした。