名取市閖上東のゆりあげ港朝市で24日、恒例の「さんま祭り」があり、北海道で水揚げされた約2000匹の秋の味覚が来場者に振る舞われた。
新型コロナウイルス禍では、主催するゆりあげ港朝市協同組合が焼いて提供したが、今年は来場者自らが炭火で焼くスタイルに戻した。焼き台の網の上から香ばしい煙が立ち込める中、家族連れなどが脂の乗った身を味わい、顔をほころばせた。
仙台市青葉区の薬剤師鈴木香映さん(48)は長男希丞(きすけ)君(8)と訪れ「魚好きの息子がきれいに平らげてくれた。やっぱりサンマはおいしい」とほほ笑んだ。
祭りは1985年に始まり、38回目。組合の桜井広行代表理事(69)は「子どもたちに炭火焼きを体験してもらう本来の形になってうれしい。家に帰っても、体に染みついた秋の薫りを楽しんで」と話した。