仙台市内への集約移転に伴い、2023年3月末で役目を終えた多賀城市の旧東北学院大多賀城キャンパスで、工学部校舎の解体が8月に始まった。学びやの最後の姿を記録に残そうと、9月中旬に取り壊し作業が進む構内を歩いた。
工学部は1962年、旧海軍工廠(こうしょう)の男子工員と旧制中学動員学生の寄宿舎の跡地に開学。以来60年間、地域と共に歩む大学として2万5000人超の卒業生を送り出した。今年7月末、大学側から土地を取得したミサワホーム(東京)に引き渡された。
講義棟や礼拝堂は内装が剥がされ、アスベストの除去が終わった建物から順次取り壊されている。解体は来夏まで続き、秋から造成工事が始まる見通し。
約11・5ヘクタールの敷地には住宅や商業施設、クリニックなどが整備される予定。若者たちが技術を学んだ青春の地は、多様な世代が集まる新たな街へと生まれ変わる。(多賀城支局・浦響子、写真映像部・鹿野智裕撮影)