市販されている日本酒の品評会「サケ コンペティション」の表彰式が14日、東京・有楽町のホテルであり、純米酒の部で大和蔵酒造(宮城県大和町)の「雪の松島 海-KAI- ひとめぼれ 純米原酒」が1位に輝いた。上位蔵の次世代の造り手に贈る特別賞にも、大和蔵杜氏(とうじ)の関谷海志さん(31)が選ばれた。
吉田類さん「素晴らしくいい酒だ」
品評会は2012年に始まり、新型コロナウイルス流行の影響で開催は4年ぶり。四つの部門に全国から計1000点が出品された。蔵元や技術指導者ら審査員が、銘柄を隠した状態で「清酒としての品格」「飲用酒としての適性」などを評価した。
「雪の松島-」は町内で生産された米を用い、酒を搾ったその日に瓶詰めして火入れした。今季初めて約1600本を仕込んだ。酵母由来の発泡感とすっきりした味わいが楽しめる。
表彰式で山内信雄代表(76)は「若手杜氏の思いが酒に伝わった。うれしく思う」とあいさつ。「酒場詩人」として知られ、式のプレゼンターを務めた吉田類さんは「この路線を貫いてほしい。素晴らしくいい酒だ」と述べた。
純米吟醸部門は相原酒造(広島)、純米大吟醸部門は大嶺酒造(山口)、720ミリリットルで小売価格1万円以上などの条件があるスーパープレミアム部門は清水清三郎商店(三重)がトップを獲得した。
各部門上位の受賞酒を出した東北の酒蔵と順位は次の通り。
▽純米酒 (3)大木代吉本店(福島)(8)中勇酒造店(宮城)▽純米吟醸(6)新澤醸造店(宮城)▽純米大吟醸 (4)秋田酒造(秋田)(6)磐乃井酒造(岩手)(7)鶴乃江酒造(福島)▽特別賞 サケノミーベストブルワリーオブザイヤー (1)高木酒造(山形)(2)新政酒造(秋田)