宮城・大崎の旧品井沼周辺ため池群が、環境省の「自然共生サイト」に認定 外来種防ぎ生物の多様性守る

地元NPO法人、活動継続へ企業との連携に注力

 環境省の「自然共生サイト」に大崎市鹿島台の「旧品井沼周辺ため池群」が認定された。20年以上にわたり外来種を防除し、生き物の再生に取り組む地元のNPO法人「シナイモツゴ郷(さと)の会」は、認定を機に企業とも連携した継続的な環境保全に力を入れる。計184カ所ある同サイトで、ため池の認定は初めて。

 認定は民間の活動で生物多様性が保全されていることが条件。対象となったのはため池7カ所が点在する鹿島台北部の約10ヘクタールで、シナイモツゴやゼニタナゴといった絶滅危惧種の淡水魚が生息する。

 近年は外来種の流入が確認され、会と行政区、市などが連携して2002年からブラックバスの防除活動を展開している。14年からアメリカザリガニにも対象を広げた結果、魚類だけでなく貝類や水生昆虫などの生態系が復元された。

 会は継続的な活動のためザリガニ料理による有効活用も試みている。3月28日に市役所を訪れた高橋清孝理事長は「里山の水辺の重要性を認めてもらえたが、防除をやめれば元に戻ってしまう。今後は有効活用による資金獲得とともに、関心を持つ企業と連携して取り組みたい」と強調した。

 伊藤康志市長は「古里の原風景を守る先駆的な活動を全国のモデルとして展開してほしい」と述べた。

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