優れた都市デザインや街づくりを表彰する2018年度都市景観大賞の都市空間部門で、宮城県女川町の「女川駅前レンガみち周辺地区」が最高賞の国土交通大臣賞に選ばれた。東日本大震災被災地の同賞受賞は初めて。
同地区は約6.6ヘクタール。JR女川駅前の広場と女川湾に向かって延びるれんが敷きの遊歩道を軸に、商業施設や公共機能が集積する。中核となるテナント型商店街「シーパルピア女川」が15年12月開業し、にぎわいの拠点となっている。
同地区は遊歩道を中心としたエリアの周辺でも、地域主導で設置した委員会が事業者らと建物のデザインなどを協議。一体感ある街並みを形づくった。
審査の講評では、速さが求められる復興まちづくりの過程で質を追求し、実現させた点が認められ「良好な都市空間実現のためにかけられた大きなエネルギーを感じる。復興事業による景観形成の優良事例」と評価された。
須田善明町長は「震災で壊された町をもう一度つくるため、多くの関係者がアイデアや思いを込めて築いた場所が評価された」と喜びを語った。
都市空間部門には全国13地区から応募があった。