宮城・富谷の区画整理組合を地権者が提訴へ 仮換地先は4病院再編の新病院候補地

指定の取り消しを求める

 宮城県富谷市明石台地区の土地区画整理事業で、地権者の仙台市の70代女性が、評価の低い土地に不当に仮換地を指定されたとして、区画整理事業組合に指定の取り消しを求める訴訟を仙台地裁に起こすことが30日、分かった。指定された土地の一部は、県が主導する仙台医療圏の4病院再編構想で新病院の建設候補地に当たる。

 訴えなどによると、当初計画では、女性の所有地は全て現地で戸建用地に換地される予定だった。新病院の誘致構想などに伴い計画が変更となり、組合側が今年1月に示した仮換地では、女性の所有地の約半分が所有地から離れた病院の移転候補地に指定された。

 山林だった女性の所有地と、ため池を盛り土した仮換地先では土地の性質が異なると主張。元来の土地と土質や環境など同程度の条件を換地に求める土地区画整理法に違反すると主張する。

 また、組合側が示した想定売却金額は、女性の所有地が全て戸建用地に換地された場合よりも安く、生じる差額の約2500万円も求める。

 女性の代理人弁護士は「病院の移転構想に影響を受けて利害調整が不十分になった可能性がある。原告の権利は保護されるべきだ」と話した。

 県の構想では、東北労災病院(仙台市青葉区)と県立精神医療センター(名取市)を富谷市に移転、合築する。市は新病院誘致を目指し、土地区画整理事業用地の一部を取得する方針を示している。

タイトルとURLをコピーしました