宮城県山元町の農業生産法人「GRA」は、自社農場で生産した高糖度イチゴを使ったスパークリングワイン「ミガキイチゴ・ムスー」を発売した。東日本大震災で大きな被害が出た町の復興に向け、6次産業化の足掛かりとして開発した。
法人が栽培する糖度や大きさなどの基準に達したブランド「ミガキイチゴ」100%で、山梨県の醸造所で加工した。
炭酸以外の添加物は使用せず、さっぱりした甘さと酸味を強調した。ラベルには町を象徴する阿武隈山地のイラストをあしらった。
イチゴ由来のサーモンピンクの華やかな色合いが特長。パーティーなどの食前、食中酒として大都市圏の飲食店や百貨店などの需要を見込む。
GRAは農業による震災復興を目指して2012年1月に設立。情報技術を活用した最新鋭の大型栽培ハウスで高品質のイチゴやトマトの栽培に取り組む。加工品の販売は初めてで、今後は化粧品などへの参入も視野に入れる。
同町出身の岩佐大輝代表(36)は「最高の技術を持つ醸造所と提携したことで、すばらしい品質に仕上がった。今後も良質な加工品を開発し、被災地の枠を超えてグローバルに勝負したい」と力を込める。
「ミガキイチゴ・ムスー」はインターネットの「ミガキイチゴストア」のほか、仙台市の藤崎、JR東京駅、東京・表参道ヒルズで販売している。ネット価格は1本3000円(750ミリリットル)で250円追加すると化粧箱が付く。連絡先はGRA0223(37)9634。