宮城県山元町は22日、整備を検討している大型パークゴルフ場の最有力候補地として、同町坂元地区の国道6号沿いの民有地を示した。町議会全員協議会で明らかにした。
候補地は、菓匠三全(仙台市)が所有する11.9ヘクタール。36ホールの場合、整備面積は4ヘクタール、事業費約5億7300万円。県南最大の54ホールは5.6ヘクタール、約7億4800万円と試算する。借地する方向だが、具体的な交渉は始まっていない。
町は、JR常磐線坂元駅前の町農水産物直売所「やまもと夢いちごの郷」との連携やアクセスを重視し、4カ所を点数化して検討。借地で用地取得費が削減でき、高台から太平洋を眺望できる菓匠三全の民有地を最有力とした。文化財調査が不要で事業期間が短縮できる利点も挙げた。
斎藤俊夫町長は全員協議会で「恵まれた立地条件で、にぎわい創出につながる」と理解を求めた。
町議からは「パークゴルフ場に特化せず、町民参加で構想を練り直してはどうか」「事業費は災害対策を優先するべきだ」と疑問の声が相次いだ。
町によると、候補地は菓匠三全が1991年、工場建設地として取得したが、景気低迷で計画が宙に浮いた。2015年以降、再び利用を検討したが、投資効果などを考慮し、19年11月、町に進出断念を伝えた。