東日本大震災の被災市町から宮城県が受託し設計や工事を行う災害公営住宅のトップを切り、山元町の1期分26戸の整備が始まるのを前に27日、現地で工事着手式があった。
復興庁、県、町の担当者や工事関係者ら約50人が出席。斎藤俊夫町長は「被災した多くの町民が待ち望んでいた。住宅の形が見えることによって被災者の生活再建に向けた大きな励みになる」と喜びを語った。斎藤町長ら出席者はくわ入れをし工事の安全を願った。
災害公営住宅はJR常磐線の内陸移設に伴って新設される新山下駅周辺に、町が集団移転先などとして整備を計画する新市街地の一角に建設。1棟に2戸が連結する木造一部2階で2DK、2LDK、3LDKの3タイプを造り、玄関スロープなど高齢者に対応したバリアフリー設備も設ける。木材の4割以上は県産杉などを使う。
県と町は来年3月までの完成、4月の入居開始を見込む。1期分は当初50戸を予定したが、二つに分けて入札したうち24戸分が不調に終わった。県は近く再入札し早期着工を目指すが、完成は2カ月ほど遅れる見通し。
県土木部の橋本潔部長は「被災者の生活再建には恒久的な住宅の確保が最優先課題。残りも一日も早く完成させたい」と話した。