宮城県の建設業許可不正取得事件で、虚偽の工事履歴書などを作成した行政書士が関わった建設関連業者が約80社に上ることが13日、分かった。県は虚偽申請が発覚した一部の業者について既に処分しており、残りについても調査を進める。
県は事件発覚後、この行政書士が作成した業者の書類を確認。4月以降、虚偽記載が発覚した約30社について、書類の訂正や法令順守の教育を社内で行うように求める監督処分をした。行政書士は建設業法違反の罪で3月に罰金の略式命令を受けた。
県は、虚偽記載は行政書士によるものとしつつ「許可申請は企業が提出しているもの。虚偽の書類が出されていれば、企業も処分の対象となる」と説明する。 行政書士に書類作成を依頼し、監督処分を受けた宮城県内の建設業者は「まさか自分の会社の資料まで改ざんされていたとは知らなかった」と困惑する。
役員の略歴書に身に覚えのない工事内容の記載があり、工事経歴書の請負金額も異なっていた。工事経歴書は県の提出前に確認したが、取引先の名前や工期は合っていたため気が付かなかったという。
業者は「職務経歴や工事経歴などはきちんと提出していた。こちらから虚偽記載を頼んだことはない」と話す。