納豆製造の大永商店(宮城県村田町)は、ロシアに向けた輸出商品を初出荷した。同国では富裕層を中心に日本食への関心が高まっており、モスクワの日本食材専門店2店で11月ごろから販売されるという。
出荷したのは、主力商品のカップ入り納豆「グリーンパール納豆カップ」1200食分。8月中旬に注文が入り、同28日に横浜港へ発送した。
宮城県などが昨年主催したロシアビジネスセミナーを通じて商談が始まり、サンプル商品を現地に送るなどして取引が成立したという。
同社の商品は宮城や北海道の大豆を使い、うま味調味料を一切加えないのが特徴。窒素を詰めて個別包装することで鮮度や風味を長期間保てるようにし、2004年以降、米国や韓国、英国などに輸出していた。
東日本大震災後、福島第1原発事故の風評などで海外からの注文は一時途絶えたが、高品質を武器に台湾と米国への輸出を再開。ことし2月には初めてオーストラリアからの注文が入り、乾燥納豆をチョコレートで包んだ「チョコ納豆」など860点を輸出した。
大永商店の大沼賢治副社長は「ロシアへの出荷を足掛かりに、世界に宮城の納豆を広めたい」と話している。