宮城県の次期産業廃棄物最終処分場を巡り、県と候補地の大和町、県環境事業公社は27日、基本協定を締結した。県と整備運営を担う公社が周辺環境に悪影響を及ぼさないよう万全の対策を取るとうたうなど、地元の根強い懸念を払拭するため最大限の配慮を示した。
候補地は大和町鶴巣地区で、敷地面積は約40ヘクタール。2025年度に受け入れ限度に達する見込みの現処分場「クリーンプラザみやぎ」も同地区にある。
関係者によると、村井嘉浩知事と浅野元・町長、後藤康宏公社理事長が同日、町役場で調印した。基本協定書には(1)埋め立て期間はおおむね20年間とする(2)新たな処分場の選定で再び町を対象としない(3)公社の責務履行に県も責任を負う-などと規定した。
地域共存を図る観点から、河川や県道の整備といった周辺地域の課題解決に向けた事業の実施も盛り込んだ。事業を見直す場合は、町鶴巣区長会の意見を聴取することも明記した。
県はこれまで町側に対し、次期処分場では原発事故が起きた際に生じる放射性廃棄物を受け入れない考えを説明してきた。県と町、公社の3者が今後結ぶ環境保全協定で明文化する方針。
基本協定の締結を受け、県や公社は27年度の稼働を目指して着工の準備を進める。次期処分場の埋め立て容量は約230万立方メートルで、現処分場(約1073立方メートル)の2割程度。廃プラスチック類やがれき類、ガラス・コンクリートくずなどを搬入する。