宮城県気仙沼市は、市内への移住定住や2地域居住を促そうと、市の空き家バンク登録物件を取得する際にかかる経費を最大200万円補助する事業を始めた。シェアハウスに改修する場合は最大500万円を支援する。財源は好調なふるさと納税を活用した。
対象者は、いずれも申請時点で(1)市内に転入後1年未満の移住者または転入の意思を持つ空き家購入者(2)市内に年間1カ月以上滞在する予定の2地域居住者(3)市内在住で18歳未満の子どもを持つ子育て世帯。取得費用の2分の1(上限100万円)を補助する。
移住や2地域居住を希望する人には、交流サイト(SNS)などでの情報発信への協力を条件に、補助を上乗せして取得費用の3分の2(上限200万円)とする「PR枠」も設けた。
対象物件は空き家バンクに登録され、売却価格が200万円以上(PR枠は300万円以上)の空き家。10月以降に取得した費用の一部を補助する。
このほか、登録物件を4人以上が共同利用できるシェアハウスとして整備、運営する場合には上限を500万円に引き上げ、経費の2分の1を補助する。
市は空き家取得補助金5件、シェアハウス改修1件の交付を想定して財源を充てる方針。PR枠は書類審査を経て決定する。12月27日まで事前相談を受け付ける。
空き家バンクには22日時点で売却・賃貸を合わせて194件の登録がある。市震災復興・企画課けせんぬま創生戦略室の担当者は「空き家の活用を支援し、移住へのハードルの一つとなっている住まいの問題解決につなげたい」と話す。
連絡先は同課0226(52)0695。