慶長使節船サン・ファン・バウティスタ号の出帆地・石巻市が7月、支倉常長ら使節団がイタリアに上陸した地として知られるチビタベッキア市と、あらためて姉妹都市を締結する。現地では東日本大震災の犠牲者を追悼するミサが行われ、ことしはサン・ファン号出帆400年の節目に当たる。亀山紘市長らが訪問し、調印式に臨む。
亀山市長ら代表団9人が7月6~12日に派遣され、調印式は8日に行われる。常長が通ったとされる「リボルノ門」から会場に入り、ピエトロ・ティディ市長と盟約書を取り交わす。
文化団体の関係者ら市民訪問団23人が同行。震災の追悼ミサがあった教会を見学したり、市民との夕食会に参加したりして交流を深める。
チビタベッキア市はイタリア中部の港町。常長らは1615年に上陸し、ローマ法王に謁見(えっけん)した。歴史的なつながりなどから、両市は1971年に姉妹都市を結んだ。
石巻市は2005年に周辺6町と合併。新石巻市は10年、新たな姉妹都市の締結を提案したが、震災の影響で延期されていた。震災後、チビタベッキア市からは義援金約165万円が送られた。
代表団などの結団式が26日、市役所であり、亀山市長は「支援への感謝を伝え、復興の状況を海外に示す絶好の機会。充実した交流活動を展開したい」と述べた。
石巻市は10月に開催するサン・ファン号出帆400年祭に、ティディ市長らを招くことも計画している。