宮城県美里町は、非核と脱原発を訴える集会「平和を考えるつどい」を9月30日に町文化会館で開くことを決めた。東京電力福島第1原発事故の被害に遭った福島県浪江町の馬場有町長らを講師に招き、核兵器廃絶や脱原発の実現を盛り込んだアピール文を採択する。
美里町の一部地域は東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)の半径30キロ圏に位置する。国は原発の重点防災地域について、これまでの半径8~10キロを30キロ圏に拡大すると決めており、町の脱原発方針は女川原発の再稼働にも影響する可能性もある。
集会の副題は「人類は核と共存できない。核廃絶と脱原発へ」。町は原発事故の被害が出た福島県富岡町にも住民代表の講演を依頼。長崎県の原爆被爆者による講話も予定する。美里町が脱原発を訴える集会を開くのは初めて。佐々木功悦町長は原発事故後、原発に批判的な発言を繰り返してきた。町議会も3月、女川原発再稼働に反対する意見書を可決している。
美里町まちづくり推進課は「議会の方針などを受け、原子力に頼らない社会を町民らに考えてもらう機会を設けるため、講演会開催を決めた」と説明している。