宮城・菖蒲田海水浴場 県内最多の来場数も猛暑で想定より伸びず

宮城県七ケ浜町の菖蒲田海水浴場の今季来場者が6万2053人に上り、県内で開設された15カ所で最多となったことが、実行委員会などへの取材で分かった。過去との比較では、新型コロナウイルス禍の収束や好天に恵まれるなどして22年比で1万人以上増えたものの、コロナ禍前の19年比では2000人近く減少。担当者は「記録的な猛暑の影響などで想定より伸びなかった」と話した。

 菖蒲田は7月15日~8月20日の37日間開設され、雨などによる遊泳禁止は2日間だった。開設期間はまちまちだが、県内の他の海水浴場の来場者は多い順に、気仙沼市の小田の浜が3万3723人、南三陸町のサンオーレそではまが3万2308人、亘理町の荒浜が2万1547人となった。

 菖蒲田の入り込みの推移は、7月は土日祝日におおむね2000人を超え、最も多い日で5862人が来場した一方で、お盆休みのある8月に入ってから伸び悩んだ。11日は今季最多の1万3566人が来場したが、平日が軒並み1000人未満で、土日でも2000人を割る日があった。

 実行委の担当者は「開設中の海水温が毎日30度前後と高く、砂浜の温度は60度近くなった。熱中症警戒アラートが連日出されたことで家族連れなどが来場を控えたのではないか。レジャーの多様化による海水浴離れもある」と分析する。

 実行委は、菖蒲田が海水浴場などの国際環境認証「ブルーフラッグ」を6月に取得したことに合わせ、運営スタッフ約50人の普通救命講習受講を義務化するなどして安全対策を強化。その結果、開設期間中の救急車の出動や海難事故の発生はゼロだった。

 菖蒲田は1888年に東北で最初、国内で3番目に開設された海水浴場とされる。東日本大震災で被災し、2017年に本格的に再開。来場者数はコロナ禍前の19年が6万3940人で、2年間の中止を挟んで3年ぶりに開設された22年は4万9122人だった。

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