宮城初の地鶏「青葉地鶏」は被災地育ち 餌は三陸産海藻、コクのあるうま味

水産加工業の旬鮮堂(宮城県南三陸町)は、宮城県内初の地鶏「みやぎの青葉地鶏」を開発した。三陸産の海藻を餌に飼育しており、弾力に富む食感とコクのあるうまみが特長。JR仙台駅ビル内の焼鳥店が8月1日に提供を始める。

JAS認定受け、商標登録も

 旬鮮堂は2021年、地鶏の開発に着手。翌年に東日本大震災で被災した町沿岸部に鶏舎を設けた。名古屋コーチンのひなに、乳酸発酵したワカメやコンブを配合した飼料を与え、ブロイラーの3倍近い生後約145日まで長期飼育している。

 地鶏肉として県内で初めて日本農林規格(JAS)の認定を受け、今春に商標登録した。

 26日には出荷先となる仙台駅ビル内の飲食店「炭火焼鳥肉のいとう」で発表イベントがあり、村井嘉浩知事らが出席した。試食した村井知事は「ジューシーで鶏本来の甘さを感じる。歯ごたえも最高」と太鼓判を押し、「被災地で新たな産業を作り出すことは非常に重要だ」と強調した。

 同店は焼き鳥3種盛り(計3本)を定価の1200円から999円に値下げするなど限定セールを8月末まで実施する。旬鮮堂は10月末までに約2000羽を出荷し、徐々に販路を拡大する予定。西條盛美社長は「『宮城に青葉地鶏あり』と知ってもらえるよう(ブランドを)作り上げたい」と意気込んだ。

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