宮城学院女子大生ら、1年がかりで中古物件をリノベーション コンペ最優秀賞案を実現

宮城学院女子大の学生グループが、仙台市泉区にある中古マンション1戸の改修を手掛け、今月完成した。日本建築家協会東北支部宮城地域会(JIA宮城)が2016年に初めて実施したリノベーション設計競技の学生部門で最優秀賞を獲得した案を、約1年かけて実現させた。学生のコンペ案を実用化するのは宮城県内でも珍しいという。
最優秀賞を受賞したのは生活文化デザイン学科4年の五十嵐愛美(あみ)さん(22)、打矢陽(あき)さん(22)、内海遥さん(22)、小野翠花(すいか)さん(22)、阿倍夏季さん(22)のグループ。「変化する家」をテーマに、住む人の家族構成や家具の配置に柔軟に対応できるよう、壁を極力少なくした間取りを提案した。
リノベーションの舞台は築27年のマンション。約57平方メートルの2Kを、小上がりと縁側のあるリビング、格子状の棚を作り付けた寝室、土間などのある1LDKに改修した。施主の要望を取り入れ、ダイニングテーブルを兼ねたアイランドキッチンもオーダーメードで備えた。
五十嵐さんは「縁側に腰掛けてくつろいだり、アイランドキッチンで食事を楽しんだりと自由なスタイルで生活できる。予算の制約など苦労も多かったが勉強になった」と話す。
コンペは若手の人材育成などを目的に始まった。アイデアの実現に向け、JIA宮城前地域会長で建築家の安達揚一さん(59)と仙台市青葉区のSOYsource建築設計事務所が、物件探しや事務手続きなど実務面でバックアップした。
安達さんは「時代のニーズに合わせた空間を作るのが建築家の役目。社会問題化している空き家の活用法の1例として参考にしてもらいたい」と話した。

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