神戸大学内海域環境教育研究センターの川井浩史教授(藻類学)らの研究グループは11日までに、宮城県沿岸で新種の海藻「サンリクモズク」を発見したと発表した。日本沿岸に広く分布し、食用にもなるフトモズクと見た目がよく似ており、これまで区別されていなかったという。
川井教授によると、2005年に宮城県の沿岸でフトモズクとして海藻を採集し、その後、遺伝子を解析した結果、別の種類である可能性が判明。17年に再び、新種とみられるこの海藻を見つけ、DNA塩基配列の解析などをしたところ、フトモズクとは別種であることが分かった。
これまで三陸海岸の一部地域でしか確認できていないことから、サンリクモズクと命名。波が弱い海岸の岩場などに春から夏にかけて生育する一年藻で、大きいものは長さ30センチ程度にまで成長するという。