宮城産イチゴ新品種「にこにこベリー」本格販売へ 仙台で22日デビューイベント

宮城県産イチゴの新品種「にこにこベリー」の本格販売が2020年産(今年11月~20年6月)から始まる。22日に仙台市でデビューイベントを開き、消費者にPRする。県は将来的に県産品種「もういっこ」と並ぶ主力品種に育てたい考えだ。
 にこにこベリーは県農業・園芸総合研究所(名取市)が開発した。もういっこと栃木県発祥の「とちおとめ」を掛け合わせて誕生。果肉が鮮やかな赤色で、甘さと酸味のバランスが良いのが特長。収穫時期が長く、とちおとめに比べ収量は約3割多い。日持ちが良く輸送性に優れる。
 20年産は親株1万3230本を宮城県内の生産者約50人に提供。亘理、山元両町、石巻市の計4.8ヘクタールで作付けし、約300トンの生産を見込む。仙台市内の果物店やデパートなどで1パック500円前後で販売する。
 22日のイベントは仙台市青葉区のウェスティンホテル仙台に消費者や流通関係者約90人を招き、新品種を味わってもらう。アイベックスエアラインズ(東京)は23日から試食用を提供するほか、12月と来年1月に県産イチゴの出荷量が多い北海道でも披露会を開く。
 県産イチゴの作付面積はもういっこが51%、とちおとめが41%を占める。県はとちおとめに代わる独自品種として生産普及、販路拡大を図る。22年産は20ヘクタールでの作付けを目指す。
 台風19号の豪雨で、みやぎ農業振興公社の原種苗部(岩沼市)で栽培していた21年産用の親株1万8500本が浸水被害を受け、廃棄を余儀なくされた。生産者の協力を得て現在、親株の確保に取り組んでいる。
 村井嘉浩知事は「関係者が協力し合い、東北のイチゴ王国を代表する新顔になってほしい」と期待を寄せる。

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