宮城産殻付きカキ、東京に1月「小屋」開店

◎県漁連、ネット注文も試行 キリン支援
 県漁協は17日、従来流通させなかった県産殻付きカキをブランド化し、首都圏などで販路を開拓する新事業を発表した。3カ所のカキをモデル的に売り出し、1月に期間限定のカキ小屋を東京でオープンさせる。東日本大震災で失った販路を回復し、県産カキ全体の質や価格の向上も図る。
 先行的に販売するのは唐桑支所(気仙沼市)の「三陸唐桑もまれ牡蠣(がき)」と、河北町支所(石巻市)の「長面浦牡蠣」、鳴瀬支所(東松島市)の「鳴瀬牡蠣」。
 いずれも殻付きで出荷できる体制が整い、質の良さで全国的に知られる。唐桑は身の成長を促すため養殖ロープごと湯に漬けて殻に付いた雑貝を取り除くなど、手間をかけて生産している。
 県漁協は首都圏の飲食店などを対象に、それぞれのカキの特徴や生産に関する情報を発信。インターネットで事業者から注文を受ける「おらほのカキ市場」の実証実験も始めた。
 カキ小屋は1~3月に営業し、消費者に直接アピール。消費者ニーズの把握に努め、長期的には県内の養殖漁業者全体の底上げや後継者育成にもつなげる考えだ。
 新事業はキリングループの復興支援金2700万円を活用。石巻市であった新事業発表会と支援金贈呈式で、県漁協の丹野一雄会長は「大きなチャレンジで真の復興を遂げ、支援に応えたい」と述べた。
 小西弘晃キリンビールマーケティング宮城支社長は「食材王国の宮城を代表するカキは、ビールと一緒に食卓を彩る仲間」とエールを送った。

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