政府が28日から来年1月11日まで観光支援事業「Go To トラベル」を全国で一時停止するのを受け、宮城県は15日、割引額を上乗せする独自の観光支援事業も同じ期間に一時停止すると発表した。仙台市も宿泊促進事業を一時停止する方針を決めた。東北では、青森県が独自支援策を中断し、福島県も対象を県民限定に縮小した。
宮城県がストップするのは、東北6県と新潟県の観光客向けの「せんだい・みやぎ絆の宿キャンペーン」と、20室未満の民宿や旅館で使える「仙台・宮城すずめのお宿キャンペーン」。いずれも1人1泊最大5000円安くなり、GoToと併用できるため、「相乗効果があった」(宮城県観光課)という。
村井嘉浩知事は県庁で報道陣の取材に応じ、一時停止を表明。「感染拡大を食い止めるための苦渋の決断。中途半端に事業を継続するより、危機意識を県民と共有したい」と説明した。
仙台市は、東北在住者が1人1泊最大5000円引きとなる「Travel仙台 選べるトク旅キャンペーン」を実施中。県が一時停止を即断したことも考慮し、同じ期間に、同様の対応を取ることにした。
県内の宿泊施設利用料を1泊5500円割り引くキャンペーンを展開する青森県。16日には対象を北東北3県から全国の観光客に拡大するが、政府と歩調を合わせ、年末年始は割引の適用を外す。
福島県は割引範囲を狭める。1人1泊7000円以上の宿泊で一律5000円安くなる独自事業は、東北と新潟の観光客が利用可能だったが、16日からは福島県民だけとなる。11月の実績は県外客の利用が1割で、県観光交流課は「大きい影響はないのではないか」と予想した。