宮城県が来年1月下旬、14の国・地域の駐日大使らを招いて県内の観光地や産業の魅力を発信する「みやぎアンバサダーサミット」を開催する。3日、その概要が分かった。参加した国・地域と個別に経済交流の覚書や声明を交わし、国宝・瑞巌寺(松島町)で締結式を開催。インバウンド(訪日客)誘致や国際投資の呼び込みを図る。
サミットは来年1月23~25日の日程。米国、英国、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、オーストラリア、インド、インドネシア、ベトナム、カンボジア、クウェート、韓国、台湾の駐日大使らを招待する。
初日は松島町のホテル大観荘などで開催。村井嘉浩宮城県知事のほか、達増拓也岩手県知事と内堀雅雄福島県知事も参加し、東日本大震災からの復興支援への感謝を伝える被災3県の共同メッセージを発表する。
2日目は、JR仙台駅西口のホテルメトロポリタン仙台で各種セミナーを開く。宮城県の外国人材確保に関する取り組みの紹介や、県内企業によるプレゼンテーションを実施する。東北各県の観光PRブースも設け、ビジネスマッチングの機会にする。
国特別史跡「多賀城跡」(多賀城市)や、みやぎ東日本大震災津波伝承館(石巻市)、東北大の次世代放射光施設「ナノテラス」(仙台市)の視察会も開く。
3日目は同行する海外メディア向けに宮城、山形両県にまたがる蔵王連峰の樹氷や白石城(白石市)などを回る見学会を予定する。
観光庁によると、2023年の東北の外国人延べ宿泊者数は約156万人で、全国に占める東北シェアは1・3%にとどまる。アンバサダーサミットは現時点で今回限りの予定だが、宮城県は参加する国・地域の大使館関係者との人脈をづくりを通じ、今後の双方向の交流につなげたい考え。