宮城県と仙台市が感染者発生の施設情報公表へ共同基準

宮城県と仙台市は27日、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、感染者が発生した施設の情報を公表する基準を共同で定め、運用を始めた。複数の感染者が出た施設は、濃厚接触者が特定できるケースでも業態や業種、具体的な状況、所在市町村を知らせ、県民に注意喚起する。濃厚接触者が特定できない場合には従来通り、感染者が1人でも施設名を公表する。
 2人以上の感染者が出た施設で、濃厚接触者が把握できていれば施設名を明らかにしないが、「接待を伴う飲食店」など業種や業態、所在地の市町村は発表する。「大皿料理を直箸(じかばし)で食べていた」「回し飲みをしていた」といった感染の要因と推測される状況も、より詳しく明らかにする。
 濃厚接触者が特定できない際には感染者が1人でも、施設名に加え、感染が疑われる時間帯を明示する。保健所が行う積極的疫学調査への協力を呼び掛ける。
 県と市は感染者や利用客が特定されないよう十分に留意する。
 村井嘉浩知事は27日の定例記者会見で「最優先すべきは県民の命。なるべく分かりやすく説明したい」と述べた。施設の所在地を巡り、地域をより絞った形での発表に含みを持たせた。
 郡和子市長は同日の定例記者会見で「仙台は東北一の歓楽街がある。さまざまな業種、業態が集積しており(公表範囲で)もう少し踏み込めることがあるかもしれない」と指摘。共同の基準とは別に独自基準を検討する考えを示唆した。

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