宮城県と仙台市の医師会、トリアージ構築急ぐ 調整本部を設置

宮城県と仙台市、県医師会などは9日、新型コロナウイルス感染者の重症度に応じて搬送先を判断する「調整本部」を設置した。患者の急増に伴う病床不足が懸念される中、治療の優先順位を決める「トリアージ」を実施し、適切な医療態勢の構築を急ぐ。

 9日の対策本部会議で発足した。(1)受け入れ医療機関の検討(2)患者の移送順の決定(3)搬送体制の構築-といった役割を担う。構成メンバーには感染症や集中治療、地域医療などの専門家も加わる。
 症状別の搬送イメージは図の通り。重症者は人工心肺装置や人工呼吸器を管理する感染症指定医療機関(7病院29床)に入院。中等症者や基礎疾患がある患者らは感染防止対策を講じた協力医療機関(計49床)に搬送する。
 無症状者と軽症者は県が1棟ごと借り上げる仙台市のホテル(200室)で療養する。日中に看護師を配置するほか、県と仙台市の職員が24時間体制で常駐し、容体の把握に努める。患者は、ルールを定めた上で民間の車両が搬送する。
 県はピーク時の患者を中等症が最大3882人、重症が同136人と推計する。県内では現時点で重症向け57床、中等症向け331床を確保できる見通しが立ったが、爆発的に感染が広がれば対応が追い付かない恐れもある。
 病床が不足した場合、村井嘉浩知事は東北や北海道など広域連携で確保策を検討する方針を説明した。「まずはそういった事態にならないように対応していく。今が非常に大事な時期だ」と強調した。

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