宮城県内では刑法犯の発生が減る一方、13歳未満の子どもへの声掛けや付きまとい、容姿撮影といった迷惑行為は増加傾向にある。子どもが巻き込まれる事件事故が全国で相次ぎ、保護者らの危機意識の高まりが迷惑行為を表面化させているとみられる。
宮城県内での過去5年間の刑法犯と、子どもへの迷惑行為などの発生件数はグラフの通り。
刑法犯は平成以降、2001年の4万9887件をピークに漸減し、昨年は1万6466件。これに対し、13歳未満の子どもへの声掛けや付きまとい、公然わいせつなどの迷惑行為は昨年535件で、5年前の1.7倍超となった。
今年は10月末時点で昨年同期より80件多く、昨年1年間と同数の535件が既に発生。県の「子どもを犯罪の被害から守る条例」に基づく警告数も14件で、昨年1年間の11件を上回る。
県警の佐藤俊明県民安全対策課長は「子どもが巻き込まれる犯罪の報道で、保護者の警戒心が強まっていることが増加の一因」と分析。「一見、軽微な声掛けや付きまといは、誘拐など重大犯罪の入り口になり得る。警察、地域が連携して目を光らせる必要がある」と呼び掛ける。