宮城県が19日公表した2013年度の県内基準地価(7月1日現在)は、県全体で0.7%上昇し、1991年度以来22年ぶりに上昇に転じた。前年度は0.9%の下落だった。東日本大震災で大きな被害が出た沿岸部を中心に、住宅再建を進める被災者の移転需要が大きく、復興事業に関わる企業などの土地確保の動きも活発となっている。
<住宅地>
258地点のうち上昇したのは119地点で、前年度より44地点増えた。全地点の平均は0.7%上昇で、前年度の0.6%下落から16年ぶりに上昇に転じた。
市町村別にみると、上昇したのは18市町で、上昇率は七ケ浜町と利府町がともに9.1%で最大。女川町7.1%、山元町5.2%、亘理町5.0%、石巻市4.4%と続いた。下落率は丸森町が5.5%で最も大きく、次いで白石市4.0%、川崎町3.4%だった。
仙台市は2.7%上昇し2年連続のプラス。上昇幅は前年度より1.9ポイント拡大した。塩釜市や名取市など仙台市周辺9市町村も平均2.7%上昇した。
<商業地>
99地点のうち47地点で上昇し、前年度(15地点)の3倍となった。全体平均で0.6%上昇。前年度のマイナス1.2%から5年ぶりにプラスに転換した。
市町村別の上昇率は、石巻市5.9%、亘理町1.8%、塩釜市1.7%などで沿岸部の上昇ぶりが目立つ。一方、白石市はマイナス6.1%、大崎市が同6.0%となるなど、内陸部には下落基調が続く市町もある。仙台市はプラス2.1%となり、前年度の0.6%下落から5年ぶりに上昇した。