全国学力テストの結果が31日公表され、宮城県内の平均正答率は中学校の国語を除き、全国平均を下回った。仙台市を除いた正答率は、全4科目で全国平均に達しなかった。県教委義務教育課は「全国平均との差は年々縮まりつつある」と説明するが、仙台市と他地域との学力差が埋まらない状況が続いている。
仙台市と同市を除く県平均を比べると、小学校の国語で3ポイント、算数で4ポイント、中学校の国語で5ポイント、数学で8ポイントの差があった。同市を除く県平均では、小中学校ともに算数・数学の図形分野が弱く、国語では小学校が文章を書く能力、中学校では長い文章を読む能力に課題が残った。
仙台市は中学校国語で20政令市のうち1位、数学も1位タイ。小学校の国語と算数は全国平均と同じ結果だった。市教委の多賀野修久学びの連携推進室長は「毎年実施する市独自の学力検査で課題を洗い出し、教育現場にフィードバックさせていることが、着実な基礎学力の定着につながった」と分析する。
県教委は今後、詳しい分析や改善策を検討する。義務教育課の千葉睦子課長は、「特に小学校低学年の算数学習でつまずいている現状がある。小中の9年間を見通し、学習内容を積み上げていく必要がある」と話した。
コロナ下、不安な心理浮かぶ 生活・学習習慣アンケート
全国学力テストと合わせて実施された生活・学習習慣に関するアンケートでは、新型コロナウイルスの影響も尋ねた。「一斉休校中、規則正しい生活を送っていた」と回答した割合は小学生が61.2%、中学生は48.1%にとどまり、コロナが不安を与えた状況をうかがわせた。
主なアンケートの結果は表の通り。一斉休校中、計画的に学習を続けられたか聞いた質問でも、続けられたとの回答が小学生64.3%、中学生38.8%だった。
平日に3~4時間、テレビゲームで遊ぶかどうかの問いでは、仙台市では全国平均より少なく、市以外では多く、地域差が出た。家庭での学習時間を確保するため、県教委義務教育課は「家庭と連携し、テレビゲームで遊ぶ際のルールを作る必要がある」と説明した。
仙台市では「自分には、よいところがあると思う」と答えた小学生の割合が全国平均を0.8ポイント、中学生では3.3ポイント上回った。市教委学びの連携推進室は「見通しを立てて授業に臨み、学習を振り返る習慣が児童生徒の自信につながっている」と分析した。