宮城県内の洋式灯台では最も古い築139年の「金華山灯台」

第2管区海上保安本部(宮城県塩釜市)は27日、宮城県石巻市の離島金華山の南東部にある宮城県内の洋式灯台では最も古い築139年の「金華山灯台」 を、東日本大震災後初めて報道陣らに公開した。灯台研究家や勤務経験者も集まり、歴史的価値や震災での被災状況を確認した。

灯台は1876(明治9)年に完成し、高さは約13メートル。金華山で産出された御影石を使って築かれたとみられる。無人灯台として現在も現役。光は10秒ごとに赤白の2色が放たれ、沖合30~40キロを航行する船まで届く。
現場には、明治時代の灯台を研究する仲田博史さん(67)=銚子市=と金華山灯台で約10年間勤務した後藤吉弥さん(73)=石巻市=も駆け付けた。
仲田さんによると、灯台は貿易促進を狙った英国の主導で建設され、スコットランド型の仕様だという。後藤さんによると、灯台には1959年まで職員が常 駐。その後、2005年まで5人ずつ10日間の交代制勤務で管理していた。後藤さんは「現在は島の港から灯台までの約5.5キロは徒歩でしか行けないが、 当時はオートバイや車が通行できた」と振り返る。
灯台は太平洋戦争や震災などで計4回被災。参加者は震災でひびが入った灯台内部の壁や、木材を使用した珍しい意匠でレンズを支える装置などを見学した。
仲田さんは「度重なる被災を経ても建築当時の姿が残っているのが素晴らしい。文化的な価値がある現役の灯台は地域の財産だ」と話した。

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