仙台国税局が1日発表した2013年の土地の路線価によると、宮城県内の標準宅地の平均変動率は前年比プラス1.7%と5年ぶりに上昇した。東日本大震災の復興需要が下支えした沿岸部とは対照的に、内陸部を中心に下落傾向が強まった地点もあった。
東北の主要住宅地10地点のうち、上昇したのは県内の2地点のみ。沿岸被災地からの移転ニーズなどもあり、石巻市中里5丁目が1平方メートル当たり3万7000円、仙台市宮城野区鶴ケ谷7丁目が4万8000円で、それぞれ8.8%、2.1%上がった。
県内10税務署別の最高路線価では、昨年と比較可能な9地点のうち4地点でマイナス幅が縮小した。
昨年変動がなかった気仙沼市は上昇に転じ、石巻市は上がり幅が拡大した。復興需要による消費拡大が見込めることもあり、仙台市内では商業地の改善傾向も鮮明となった。
一方、内陸部の3地点は下落幅が拡大した。白石市沢目「駅前通り」はマイナス7.5%と、前年よりも減少率が2.7ポイント広がった。