宮城県内農地、大規模農家に9割集約 競争力強化へ方針

宮城県は19日、今後10年間で県内農地の9割を意欲的な農家に集約し、農業の競争力強化を図る方針を明らかにした。国のコメ政策見直しで、都道府県に新年度設置される農地中間管理機構(農地バンク)には、みやぎ農業振興公社(仙台市)を指定する見通し。農地をまとめて大規模農家に貸し出すなどして集約する。
 県によると、県内では全耕地面積12万9600ヘクタールのうち、2010年度時点で5万9000ヘクタールが専業農家などの担い手に集積されている。県は14~23年度で5万7000ヘクタールの上積みを目指す。農地の大区画化で生産コストを抑え、海外展開も可能な大規模生産者の育成につなげる。
 国は昨年12月、「農林水産業・地域の活力創造プラン」を決定。10年間で農地の8割を集約する方針を打ち出した。県は、大都市部に比べて集約が進んでいる現状を踏まえ、高い目標を掲げた。
 農地バンクに指定する同公社について、県は農地集積事業に取り組んできた実績を評価した。
 公社などの従来の事業は、農家が売却や貸し出しを望む農地が小さかったり点在していたりする例が多く、大規模な農地集積につながりにくかった。農地バンクは、点在する農地なども一時的に管理するため、面的にまとめて貸し出すことが可能になり、集約が飛躍的に進む可能性がある。
 村井嘉浩知事は19日の県議会2月定例会予算特別委員会で「沿岸被災地はもちろん、全県的に農地を担い手に集め、競争力のある農業を確立させたい」と述べた。

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