宮城県教委が「アマゾンビジネス」導入へ 物品購入「ポイント私物化」で対策

宮城県内の公立学校の教職員らが保護者らから集めた学校徴収金で物品購入時に付くポイントを私物化した問題を受け、県教委は対策として、インターネット通販の法人向けサービス「アマゾンビジネス」を導入する方針を固め、県立の全92校に通知した。

教職員のクレカ払いなし

 県教委高校財務・就学支援室によると、各校がアマゾンビジネスにメールアドレスやパスワードなどを登録してアカウントを作成。物品購入の際は事務室の専用のパソコンを使い、教員らが発注する。アカウントは事務職員らが管理し、発注を担う教員らには知らせない。

 県教委は(1)各校が1カ月ごとにまとめて現金で精算する「請求書払い」ができる(2)実際の店舗と比べ品ぞろえが豊富-などの利点があると判断。現状のように教職員らがクレジットカードで立て替え払いしたり、店舗で個人の会員カードを提示したりすることがなくなるため、ポイントの私物化は起きないとみている。

 アマゾンビジネスでも購入額などに応じポイントは発生するが、各校の保有ポイントとなる。一定額がたまったら文化祭・体育祭用品など、多くの生徒が恩恵を受ける物品の購入に充てることができる。

 17日に開催した県立校の事務長会議などで方針を示し、異論は出なかったという。導入は各校で判断する。

 法人カードを作って学校徴収金口座とひも付ける方法もあるが「カード会社の選定などの課題が残る」(県教委)として引き続き検討する。法人カード導入は村井嘉浩知事が問題発覚後の定例記者会見で提案していた。

 支援室の菊田康弘室長は「社会情勢に応じたキャッシュレス化を検討するなど、引き続き適正化のための取り組みを実施していく」と話した。

 高校や特別支援学校など県立48校では2022年度、カード決済などで計223件のポイントの不適正取得が確認された。村井知事が踏み込んだ対応策の検討を県教委に求めていた。

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