宮城県水産特区適用対象 石巻の合同会社がカキ初出荷

宮城県が導入を目指す水産業復興特区の適用が見込まれる石巻市桃浦地区のカキ漁業者と水産卸「仙台水産」(仙台市)でつくる「桃浦かき生産者合同会社」が6日、カキを初出荷した。
 東日本大震災後に育て、5日に水揚げしたカキ320キロが出荷され、仙台水産を通じて県内のヨークベニマルとイトーヨーカドー計47店舗で販売された。石巻市のヨークベニマル石巻蛇田店では特設売り場に「桃浦かき」として並べられ、試食した買い物客が早速買い求めていた。
 店頭で売れ行きを見守った合同会社社長の大山勝幸さん(66)は「販売にこぎ着けることができて一安心。震災で浜が壊滅的な被害を受けてからここまで来るのに、本当に長かった」と感慨深げだった。
 ヨークベニマルでは、生食用150グラムが498円で販売された。通常よりやや高めだが、同社鮮魚部シニアバイヤーの有馬善二執行役員は「成育状況が良くなるのを待って出荷されたカキで、自信を持って提供できる。浜の復興に向けて苦労している合同会社を応援したい」と話した。
 初出荷に合わせ、桃浦地区では試食会があり、地区外の仮設住宅などで暮らす住民や小学生ら約120人にカキが振る舞われた。

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