宮城県漁協、塩釜市内3支所統合へ 2007年の発足以来初、震災後に組合員減少

宮城県漁協が4月1日、塩釜市内にある第一、浦戸、浦戸東部の3支所を統合し、新たに「塩釜地区支所」を設置することが26日、分かった。東日本大震災後に組合員が減少し、3支所を維持していくのが財政的に困難と判断した。支所の統合は県漁協が2007年4月に発足して以来初めて。

 浦戸諸島・桂島の浦戸支所は出張所とし、寒風沢島の浦戸東部支所は時間や曜日を限定して対応する。新支所は支所長を含む職員7人程度で、浦戸への定期船が発着するマリンゲート塩釜に事務所を置く。

 3支所で違いのあった販売手数料と漁場行使料は統一する一方、賦課金(組合費)は異なるままとした。3支所の運営委員は次期改選期(6月30日)まで現状維持で、改選日(7月1日)に統合。新たな運営委員は10人以内とする。

 3支所の22年度の組合員数は正準合わせて計165人で、震災前の09年度との比較で111人減った。組合員は60~80代が8割を占め高齢化が著しい。県漁協は21年度から、組合員と支所の在り方に関する協議を重ねてきた。

 平塚正信専務理事は「組合員が減ると単独運営が成り立たないが、支所機能は必要だ。将来的に存続させる持続可能な方策として、組織と基盤を強化できる統合に至った」と説明する。

 県漁協は07年4月に県内31漁協が合併して発足。同年10月には県信用漁業協同組合連合会から信用業務などを承継。09年4月に雄勝湾(石巻市)、矢本(東松島市)の両漁協とも合併した。現在は28支所体制。

 運営の厳しい支所は他にもあるという。平塚専務理事は「最悪の事態を免れるため統合が必要であれば前向きに取り組むべきだ。塩釜の事例をモデルケースにし、支所から声が上がれば県漁協としてバックアップしたい」と話す。

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