県漁協などは、生食用カキの品質検査会を石巻市内で開き、今季の出荷を28日解禁とする方針を決めた。海水温上昇の影響で成育が遅く、出荷解禁日を県指針に定める9月29日から1カ月先送りする。
県漁協石巻総合支所であった検査では、県内39カ所の処理場からカキが集められ、漁協職員らが粒の大きさや身の入り具合を確認。今季も高水温の影響で食用に適さない「卵持ち」が多いため仲買人らと協議し、出荷日の延期を決定した。
解禁は昨季より2日早いが、2019年から6年連続で10月にずれ込んだ。今季は品質検査会自体を例年より3週間遅らせた。昨季の生産はむき身で854トン。1000トンを割り込むのは東日本大震災から間もない12年以来となった。
県漁協カキ部会長の阿部輝喜さん(46)は「消費者に『おいしい』と喜んでもらえる宮城のカキを届けたい」と話した。