宮城県議会は4日、東日本大震災後の議会運営を検証し、大規模災害時の対応マニュアルを2015年度をめどに策定する方針を決めた。震災では、定例会の会期が県の災害対応に影響を及ぼす事態も起き、事前に非常時の方針を定めておく必要があると判断した。震災で得た教訓を発信する記録誌の作成も検討する。
安藤俊威議長が、2人以上の会派で構成する代表者会議で方針を提案し、了承された。検証作業は議会改革推進会議が担う。メンバーは超党派の15人で本年度中に初会合を開く。議会や議員の活動を検証し、14年度末まで災害時対応の在り方を議論。任期満了の15年11月までにマニュアルなどを作る。
定例会開会中だった県議会は震災後に会期の無期延期を決め、手続き上、県が震災対応予算を専決処分できない事態が生じた。通信手段が限られ交通網が寸断される中、議員活動をどう続けるかも課題となった。こうした経験を今後に生かす必要性が指摘されていた。
震災後は県外の地方議会の視察も増え、既に150件を超えた。マニュアルや記録誌の作成を通じ、教訓を分かりやすく伝える狙いもある。
安藤議長は「全国には大規模災害が予想される地域もあり、非常時対応への注目度は高い。教訓の発信は震災の風化防止にもつながる」と話した。