宮城県議選きょう告示 90陣営、決戦モード

 東日本大震災で延期された宮城県議選は4日、告示される。最後の前哨戦が祝日に重なった3日、23選挙区の立候補予定者90人は、「震災選挙」へ決戦モードを全開させた。津波被害を受けた沿岸部では、十分な態勢を築けない陣営もあり、不安を抱えながらの攻防戦。83万の有権者を抱える仙台市内では、選挙区を越えて各政党が猛然とフル回転を始めた。
 津波で甚大な被害を受けた石巻・牡鹿選挙区(定数5)。構図は7陣営による混戦だ。ある現職陣営は、支持者宅を訪ねて支援を求める「ローラー部隊」を通常の2~3組から8組に増強した。
 仮設住宅や津波をかぶった自宅の2階で暮らす被災者感情を考慮し、これまで回った軒数は前回(2007年)の半分ほど。現職は「不安になったら地盤を回れ、がこの時期の鉄則」とスタッフを鼓舞した。
 4人が争う見通しの気仙沼・本吉選挙区(3)の現職陣営の事務所は、立て看板や選挙カーの準備を終え、告示日の手順を確認した。
 事務所は津波に遭い、選挙準備は、泥に埋まった紹介者名簿を洗い流す作業から始まった。元の支持者らの消息は十分につかめず、「選挙どころではない」と言う被災者も多い。現職は「こういうときの選挙だからこそ、地道に訴えることが大事だ」と決意を込めた。
 仙台市内は5選挙区で、計39陣営が名乗りを上げる。政党激突の構図が際立つ。
 主要6政党が公認候補を擁立する太白(5)。現職陣営は政党ののぼりを掲げ、大型ショッピングセンター前で演説した。党参院議員と並んで「10年、20年先を見据えた震災復興を形にするのが私の使命だ」と意気込んだ。
 8陣営が競る泉(5)に立候補する新人は、所属政党が仙台市中心部で開いた各選挙区合同の街頭演説会に駆け付けた。党の看板を前面に出しながら放射能測定体制の強化を訴え、「安心して暮らせる政治の実現を心掛けていきたい」と呼び掛けた。

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