宮城県農政連が14年ぶりに“復活” TPP阻止活動へ

 宮城県内の農協組合員で組織する県農協政治連盟(会長・菅原章夫県農協中央会長)が、任意団体から政治資金規正法に基づく政治団体に組織改編することが23日、分かった。今週中にも宮城県選管に届け出る。農政連の政治団体化は1998年以来、14年ぶり。
 背景には、政府が進める環太平洋連携協定(TPP)交渉参加への危機感があり、次期衆院選を見据え、TPP参加阻止に向けた政治的な発言力を高めるのが狙い。
 新たな規約では、農政連を「農協を中心とする農業者主体の政治団体」と明記。活動指針として「特定候補の公認・推薦に関する事項」を挙げ、国政選と地方選の候補の推薦・支援を従来以上に積極的に行うとした。
 仙台市内で20日あった総会で規約を改正し、菅原会長は「農業団体としての政策実現に向け、選挙活動を支援する体制を築き、理解者を国政に送り込む必要がある」と説明した。
 農政連は58年設立。76年に政治団体として届け出た。最盛期には県内農家10万戸以上が加入、強固な組織力から「20万票を動かす集票マシン」とも言われた。96年10月の衆院選では、組織内候補として当時の農政連会長が自民党公認で比例東北から立候補、当選した。
 その後、農協組合員の政治離れが進み、政界再編に伴う支持政党の流動化もあって影響力が低下。98年に政治団体を解散し、任意団体に転換した。長年、自民党候補を推薦してきたが、2009年の衆院選で民主党政権が誕生。10年の参院選は初めて自主投票とした。
 農政連幹部は「TPPや消費税増税をめぐり政局は混迷し、与野党内でも賛否が割れている。次期衆院選では政策実現能力を見極めた上で、農政連と政策を共有する候補を党派を超えて全面支援する」と話している。
 2011年度の農政連の加入戸数は9万8230。政治団体に転換することで、加入の際は個人の意向を再確認する。

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