宮城県3公社、当面存続 村井知事「震災で状況変化」

村井嘉浩宮城県知事は12日、県議会9月定例会の決算特別委員会で、県議会が廃止を提言した県林業、住宅供給、道路3公社に関し「震災で状況が変化した」と当面存続させる方針を表明した。渥美巌氏(自民党・県民会議)の総括質疑に答えた。
 村井知事は借入金164億円の返済めどが立たない林業公社について、「復興住宅への木材需要が大いに期待できる。廃止してしまえば、県産材活用に公社のノウハウが使えない」と説明した。
 宅地分譲地の販売が伸び悩む住宅供給公社に関しては「被災者が公社の土地を求めるなど売れ始めている」と指摘。道路公社も仙台南部道路の東日本高速道路への移管をめぐり「前向きな協議が始まった」と強調した。
 県議会の県出資団体等調査特別委員会はことし2月、3公社の廃止を含む外郭団体改革の提言をまとめた。村井知事も廃止を検討するよう職員に指示したが、直後に東日本大震災が発生した。
 村井知事は「特別委の提言は重く受け止めているが、状況が変わり、いつ廃止するか明言できなくなった。当面は存続させるが、将来的に役割が終われば当然、廃止に向かう」と理解を求めた。
 渥美氏は「復興の名の下に改革を後退させてはならない」と廃止方針の堅持を求めた。遊佐勘左衛門代表監査委員は答弁で「問題解決を先送りせず対処してほしい」と早期の決断を迫った。

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