宮城知事、女川再稼働に同意 福島第1と同型で初

村井嘉浩宮城県知事は11日、東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働に同意すると表明した。須田善明女川町長、亀山紘石巻市長と同市内で3者協議後、記者会見で明らかにした。近く梶山弘志経済産業相と会談し、正式に伝える考えで、再稼働を巡る「地元同意」の手続きが完了する。
 東日本大震災の揺れと津波で被災した原発で、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型炉の再稼働への地元同意の表明は全国で初めて。
 3者協議は非公開で約30分行われた。記者会見で村井知事は電力の安定供給の重要性や原発の安全性を認めた上で、「東北電や国にしっかりと対策するよう求めることを(3者で)確認した。苦渋の決断だった」と述べた。協議の直後、梶山経産相に電話で同意の意思を伝達したという。
 知事と2市町長は、東北電との安全協定に基づき、施設の新増設や変更に対する「事前協議」に了解する方針も明らかにした。
 須田町長は、重大事故時に避難路を兼ねる道路整備に、県が前向きな姿勢を示したと評価。「原発の安全と防災対策の実効性向上が(事前了解の)前提だ」と強調した。亀山市長は「原発を視察し、安全性を確認した。(再稼働を容認した)市議会の意思を尊重した」と説明した。
 女川原発2号機は2月、原子力規制委員会の審査に合格。政府は3月、村井知事に地元同意を要請した。東北電は安全対策工事を終える2022年度以降の再稼働を目指す。
 東北電は「再稼働へ重要な判断がなされ、重く受け止める。引き続き安全性の向上に取り組むとともに、分かりやすく丁寧な情報発信に努める」との談話を出した。

タイトルとURLをコピーしました