宮城13市町で予備検査 コメの放射性物質、来月8日着手

 農林水産省が2011年産米の放射性セシウム濃度の検査方法を公表したことを受け、宮城県は4日、県内35市町村のうち13市町で収穫前の予備検査を行う方針を固めた。福島県は県内59市町村のうち作付けをした全48市町村を対象に予備検査を行うと発表した。
 予備検査は土壌1キログラム当たりのセシウム濃度が1000ベクレル以上か、空気中の放射線量が平常時(毎時0.1マイクロシーベルト)を超えた市町村が対象。宮城は8月末~9月初旬、福島は9月8日に着手する。
 宮城県内の対象は国が提示した白石、角田、栗原3市、七ケ宿、大河原、村田、柴田、丸森、亘理、山元7町と、県が独自に実施を判断した気仙沼、大崎2市と加美町。
 国提示分は文部科学省が6月に行ったモニタリング調査などで、空気中の放射線量が基準を超えた市町。県分は7月に範囲を広げて実施したモニタリングで基準を超えた。宮城県が6月に実施した土壌汚染調査で基準を超えた市町村はなかった。
 福島県は8月下旬に販売が始まる早期出荷米については全圃場で計約200サンプルを検査。1キログラム当たり500ベクレル以下の水田からのみコメの出荷を許可することとした。
 収穫後の本検査について、両県とも予備検査でコメ1キログラム当たり200ベクレルを超えた市町村を重点調査区域に指定する。作付面積約15ヘクタールごとに濃度を測定し、福島県は国が示すサンプル地点数を倍にし、2点で調査する。
 宮城県は200ベクレル以下だった場合と、予備検査をしない21市町村(作付けのない女川町を除く)を、昭和の大合併以前の旧市町村195ごとに1カ所以上検査する。
 福島県も200ベクレル以下だった市町村を旧市町村ごとに調べる。サンプル数は2点ずつとした。本検査は9月15日に開始する。
 本検査でコメから500ベクレルを超える放射性物質が検出された場合は国の基準に基づき、旧市町村単位で出荷停止となる。

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