宮城19年観光客、過去最多6796万人 気仙沼圏域で震災前上回る

宮城県は2日、2019年に県内を訪れた観光客が前年比374万人(5.8%)増の6796万人(速報値)だったと発表した。3年連続で過去最多を更新。東日本大震災で甚大な被害を受けた気仙沼圏域で、初めて震災前を上回った。
 県内の観光客の推移はグラフの通り。栗原を除く6圏域で前年を上回った。気仙沼は371万人で、26.0%の大幅増。三陸沿岸道の延長、気仙沼大島大橋の開通が後押しした。気仙沼大島に約7倍の68万人、19年3月開館の気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館に8万人がそれぞれ訪れた。
 18年に初めて震災前の水準に戻った石巻は19.6%増の550万人。8、9月にあったアートと音楽、食の総合祭「リボーンアート・フェスティバル」、観光交流拠点施設「いしのまき元気いちば」がけん引した。
 他の圏域は仙台3679万人(2.3%増)、大崎941万人(0.6%増)、仙南718万人(16.0%増)、登米347万人(7.0%増)。栗原は秋の行楽シーズンに台風19号が直撃し、2.6%減の190万人だった。
 県内の宿泊者は48万人(5.1%)増の989万人で過去最多。大崎と栗原以外の5圏域で増えた。大崎と栗原は、宿泊施設の減少傾向と台風19号によるキャンセルが重なった。
 県が第4期みやぎ観光戦略プラン(18~20年度)に掲げた20年の観光客数の目標は7000万人だが、新型コロナウイルス感染症で達成は困難な情勢だ。
 県によると、宮城の観光には(1)観光客のうち県内客が3割と比較的多い(2)外国人客の依存度が低い(3)県内の感染者が全国的に見て少ない-などの特徴がある。県観光課は「事業者と二人三脚で観光振興に取り組む」との考えを示した。

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