宮城4病院再編 名取に民間精神科病院開設を提案 県公募方針 県南の患者に対応

宮城県が主導する仙台医療圏4病院の再編構想で、県は31日、県立精神医療センター(名取市)の富谷市移転後の県南の精神科患者への対応に関し、名取市に民間の精神科病院を新たに開設する案を示した。県内で精神科病院を運営する法人を対象に、新病院の開設者を公募する。センターと周辺の福祉施設などの連携体制を継承するため、新病院に職員を当面出向させ、官民連携で運営に当たる。

 県庁で同日あった県精神保健福祉審議会で明らかにした。会議に出席した村井嘉浩知事は「これまでの懸念を払拭できる」と述べたが、複数の委員が実現性を疑問視。今回の提案を踏まえた富谷市移転への賛否の採決は反対多数となったが、村井知事は公募手続きを進める考えを示した。

 新病院は外来診療と急性期患者の入院に対応し、デイケア、訪問看護、福祉施設などとの地域連携機能を持たせる。建設地は来年3月に閉校する県高等看護学校の敷地(6700平方メートル)を無償貸与するとした。

 新病院開設は国の病床削減方針に合致させるため、公募に応じた法人が既存病院の病床を減らすことが前提。この削減数と、センターが移転に伴い減らす88床の合計を最低1床下回る数が、新病院の病床数となる。県は敷地面積から120床程度が上限と説明した。

 県はさらに、精神科患者らの地域移行を推進する、いわゆる「にも包括」(精神障害にも対応した地域包括ケアシステム)に関する予算の大幅拡充と、精神保健福祉に関する県組織体制の強化の方針を示した。

 県南患者への対応に関して県はこれまで、県立がんセンター(名取市)と仙台赤十字病院(仙台市太白区)を統合する名取市の新病院に精神科外来機能を持たせると説明していたが、入院機能がないことなどに疑問が出ていた。

タイトルとURLをコピーしました