仙台市の家庭ごみに混入した資源物の割合が、ことし4~10月の平均で50.2%(重量換算)に上ったことが市の調査で分かった。混入率は過去最悪の水準で、東日本大震災後に薄れた市民の分別意識が、依然として改善されていないとみられる。正しくリサイクルすれば家庭ごみを半減できるため、市は分別の励行を呼び掛ける。
市は毎月、市内2カ所の清掃工場で、ごみの排出や分別状況の実態を調査している。本来ならリサイクルできる紙類、プラスチック容器、缶瓶などが家庭ごみに交じって捨てられていた。
資源物の詳細な混入割合は、封筒、包装紙などの雑紙が16.3%で最多だった。プラスチック容器が10.9%、雑誌は8.3%でともに前年同期から増加し、混入率を押し上げた。
通年の混入率は2009年度が38.3%で最も低かったが、震災発生の10年度から増加に転じ、13年度は47.1%と過去10年で最悪だった。
4~10月の混入率も09年度40.6%、10年度44.5%、11年度44.2%、12年度44.0%、13年度48.0%と増加傾向となっている。本年度は13年度同時期を上回り、通年の記録を更新する恐れもある。
市はことし5月から、資源物の混入率を38%以下にする目標を掲げて「緊急分別宣言」と銘打ったキャンペーンを展開しているが、目立った効果は表れていない。
市ごみ減量推進課の岩渕千代子課長は「家庭ごみ袋の中身の半分が資源だったことになる。自分がごみとして捨てているのは何なのか、関心を持ってほしい」と話した。