皆さんのご家庭の冷蔵庫にも、“麦茶を入れたボトル”入っていませんか?この時季、ゴクゴク飲む冷たい麦茶。家庭によって作り方もさまざまですが、思わぬ落とし穴がありました。
街の皆さんは…
「麦茶は水道水で水出し」
「(沸騰した後は)完全に放置。そのまま冷めるのを待つ」(街の人)
しかし、作り方を間違えると知らない間に菌が増えていることもあるそうです。
「私たちの実験によると、けっこう大きな差が出ています」(エフコープ生活協同組合 商品検査センター 廣川大志郎さん)
エフコープ生活協同組合商品検査センターがおこなった実験で、その違いが明らかになりました。
皆さんおなじみの3つの作り方で比べます。
最初は、煮出したお茶。そのままやかんごと水を張った桶にいれあら熱を取った後、消毒した容器にいれ冷蔵庫へいれます。
次は、同じようにやかんで煮出すのですが、そのまま常温に放置してあら熱をとり冷蔵庫へ。
最後は、市販のミネラルウオーターと水だし用のパックを使い冷蔵庫へ。
この3つのうちで、一番早く細菌が増えるのはどれでしょうか?
「水だし?沸騰させてないから」
「常温で放置はよくないかな?」
「雑菌がなくなる沸騰すれば。だからこれ“水出し”は増える」(街の人)
果たして答えは…
「常温で放置してあら熱をとった場合が一番菌の増え方が早い」(エフコープ生活協同組合 商品検査センター 廣川大志郎さん)
なんと、水出しよりも常温放置の方が、細菌が増えやすいのです。
一体なぜなのでしょうか?
「冷ます間に、菌が好む温度30度~40度になる。麦茶が(細菌が増えやすい温度に)置かれる時間が長くなると菌が増えやすくなる」(エフコープ生活協同組合 商品検査センター 廣川大志郎さん)
ポイントは“細菌が増えやすい温度にどれくらいさらされたか”。常温放置は、その時間が長いのです。
麦茶の中の細菌数(エフコープ生活協同組合 商品検査センター調べ)
ではなぜ、一度沸かした水なのに菌が増えるのでしょう?
「(菌の中には)熱に強い菌もいる。そういった菌が増えたのでは」(エフコープ生活協同組合 商品検査センター 廣川大志郎さん)
実験によると、冷蔵庫に入れるまで常温に放置してあら熱をとった麦茶では、3日を越えたところで細菌が増え始めました。すぐに冷蔵庫にいれた水だしは4日を越えたところで。そして、最も菌が増えにくかったのが、やかんごと急速に冷やした麦茶でした。
ちなみに、こうして入れた麦茶どれくらい持つのでしょう?
「家庭によって保存状況・冷蔵庫の使い方もあるので、4日くらいまでに飲みきるのが安全」(エフコープ生活協同組合 商品検査センター 廣川大志郎さん)